さて、本日は
同族企業での軋轢について
書こうと思います。

以前にも何度か書いていますが、
ワタシも新潟で
小売業を営む会社の世襲経営者でした。

ワタシは30歳で父親から
会社を引き継ぎ社長になりましたが、
社長就任後も親父がいなければ
社業はおぼつかないと思っていたので
積極的に意見を求めましたし、
親父もそのワタシのニーズを
突き放すようなことはせず、
さりとて、余計な口出しを
するようなことも無く、
比較的に順調に
コミュニケーションを取りながら、
「親子鷹」を
演じてきたような気がしています。

その後会社の事業は低迷し、
のちに事業を辞める事には
なったのですが、
親父はワタシを責める事は
しませんでしたし、
ワタシもそんな気には
なりませんでしたから、
激しい衝突なんてものは
ありませんでした。

以前の事業で最後の5年ほどは
親父も体調を崩しておりましたので、
喧嘩にもならなかった、
という事も言えますがね。

一方で、今の仕事をしていて、
同族経営での親子や親族での
「骨肉の争い」などを垣間見ることも多く、
ワタシの目の前で
公然と親子喧嘩をするところなどもあり、
ワタシが間に立って
「まあまあ・・・」なんてやったり、
「親子喧嘩・・・
ワタシがいなくなってから
やってくれません?」
なんて言ったりすることもあるんです(笑)

同族経営って、
人間関係がこじれると厄介なんですよね。

そして、事業における
人間関係のこじれって、
ほとんどがその事業の資金繰りに
シンクロするんです。

資金繰りが順調であれば、
人間関係も順調。

資金繰りが悪化すれば、
人間関係も悪化。

むろん例外はありますが、
今まで5年数か月、
この仕事をやってきて
概ね肌感覚としてはこんなところです。

さて、
静岡県内で複数の店舗で
衣料品を販売する事業主に
お目にかかりました。

40代男性のQさん。
当方のホームページより
お問い合わせを頂きました。

最寄り駅の改札まで出迎えて下さり、
Qさんの事業所へ。

打ち合わせの部屋には
70代男性のQさんのお父様で
会長のCさんがいらっしゃいました。

会長で父親のCさんと、
社長で息子のQさんとワタシ。
この三人で面談したという事です。

数千万円の売り上げに対して、
ほぼ同額の借入金。

リスケをしており数年が経過。
現在も利息のみを
40万円ほど支払いながら、
事業を継続している状態。

父親で会長のCさんの名義で、
いくつか不動産を
所有していたので、
それを売りに出しながら
事業をどうにか継続しているとの事。

それでもまだ資金繰りが厳しく、
今度はCさんは息子のQさん一家が
住む家を売りに出して
運転資金をねん出し、
事業を廻す、って言うんです。

これにワタシは驚愕しました。

そしてもっと驚いたのが、
息子のQさん自身も
「これは仕方ない・・・」
って思っていた事でした。

「Cさん、息子さんや
お孫さんの生活を奪ってでも、
銀行に返済する選択って・・・
正しいですか?

Cさんが守ってあげたい
優先順位がご家族より
銀行なんですか?

40万円の利息を支払って、
Cさんの会社が得られる
メリットってなんですか?
何もないですよ。

銀行の信用がなくなる!?・・・
いやいや、もう無いですから。

信用されていないから
融資を断られているんですよ。

融資を銀行が実行したくないから、
リスケしているんですよ。

リスケして事業が
再生した会社なんか
ほとんど存在しない事を
銀行は知っています。

つまり、Cさんの会社は
銀行にとって厄介者。

利息を吸い上げて
吸い上げられるだけ吸い上げたら、
Cさんの会社は不必要。

Cさんは70代ですから、
現役でいられるのも
あと数年ですからいいでしょう。

でも、残されたQさんや
お孫さんはどうなるんでしょう??

ましてやQさんは連帯保証人。

Qさんの事を考えたら、
現在の様な選択肢は
絶対に生まないはずです。

銀行に資産を取られるのが
嫌だなんて言ったって、
返済やめて毎月40万円の
コスト削減をして、
差し押さえてもらえば
立派な弁済ですし、
一年で500万円近く。
二年で1000万円近くの資金が出来ます。

この浮いた分が、実質的な融資、
と考えられませんか?

それで新店舗を借りて
事業を継続すればよいではないですか。

WEBでの販売額が減っているから、
”テコ入れ”をされるそうですね。

どんなテコ入れかって言ったら、
HPのリニューアルだって、
Qさんから聞きましたが・・・・・・
自分が”買う側”の立場になって
考えてみてください。

”お!リニューアルしている。
じゃ買おう!”

っていう思考回路になるかどうかを。

リニューアルに30万円の費用を投入し、
30万円の利益を
回収しようと思ったら・・・・

利益率を踏まえると
200万円ほど売り上げを
作らなければいけません。

既存の売り上げに追加して、ですよ。

HPのリニューアルだけで、
それ作れますか!?

ワタシは出来ないと思いますし、
出来てもそれは数年先。

その頃には、
またリニューアルを迫られる
環境になっているでしょう。

CさんがQさんとともに
やらなければいけない事は、
そこではありません。

利息の支払いを停止する事です。

利息の支払いを停止すれば
毎月40万円儲かります。

売上伸ばして
毎月40万円儲けようと思ったら・・・・・
毎月200万円以上の
新規の売り上げを
作らなければならないんです。

リスケしたって、
借金問題は解決しません。

返済停止すれば、
借金問題は解決します。

5年ないし10年で。

Cさん、ご自身の目が黒いうちに
借金問題を片付けるべきではありませんか??

これではあまりにも
Qさんが不憫ではありませんか!」

Cさんは、
ワタシの話していることが、
素っ頓狂な狂言に聞こえるようです。

Qさんは、
ワタシの話していることが、
法律に基づいている
救済計画に聞こえるようです。

我々の話に乗るか乗らないか、
で親子の意見は分かれました。
この議論にワタシは付き合いません。

「親子で検討されて、
結論が出たらワタシに連絡ください。」
と言ってその土地を離れました。

次に・・・・・

都内の30代のご夫婦が
ご相談においでになりました。

夫のFさんは、
超大手企業にヘッドハンティングされ、
半年ほど前からそこに
勤務されるサラリーマン。

奥様のF子さんは妊娠8か月。
お二人目だとか。

一見幸せそうにしか
見えないこのご夫婦。

実は夫のFさんが負ってしまった
負債について、
弁護士との法的手続き中でした。

栃木県に住むFさんの
お父様は栃木県内で
事業を営んでいます。

そのお父様の事業の
負債の保証人に
Fさんがなっているんです。

その処理について
都内の弁護士に相談していたところ、
ワタシの事を知るFさんの友人に、
ワタシに会いに行くように、
と勧められてご夫婦で
当社にお出かけ下さったんです。

お父様の事業については、
詳しく伺う事が出来ませんでした。

保証人であるとはいえ
Fさんは都内でサラリーマン。

Fさん自身がお父様の
事業の概要について
詳細を把握していなかったんですから。

ご自身の窮状を語るFさんの隣で、
大きなお腹を撫でながらこちらを見るF子さん。

弁護士さんからは、
個人再生を勧められたようです。

費用を数十万円支払って、
負債を減額してもらうっていう手法です。

「個人再生したって、
官報に載りますから、
現在のお勤め先が
その情報を把握してしまったら、
Fさんの今後の昇進なんかに
いくらか作用するんじゃないでしょうか?

弁護士は”黙っていればわからない”
って言ったようですが、
官報に載って、
それを会社がチェックすれば
その情報は洩れます。

また、個人再生して
Fさんが救済されたと思えるなら、
それも手段としてあっても
良いとは思いますが、
それでは、
お父様は救われませんよね。

でしたら、
お父様の事業の問題として
当方にご相談いただければ、
その枝葉の問題として
Fさんの救済に当たる事で、
お父様が当方のクライアントになり、
資金繰りを改善して、
改善されて浮いたコストの中から
当方にコンサルフィーを支払えば、
Fさんの救済もいっしょにやるけど、
支払はお父さんの
会社の経費として支払いが実行されますから、
Fさんの経済的負担もありません。

Fさん一家の問題としてではなく、
Fさんのお父様を含めた
一族全体の問題として救済する、
という事です。

簡単に言うと・・・・・
”臭いニオイは元から絶たなきゃダメ!”
って言う事です(笑)

奥さんも、
嫁の立場からご自身の窮状を
お義父さんに訴えてください。

息子が言ってもいう事聞かない人が、
嫁の訴えにはいう事をきく、
ってよくある話じゃありません??」

Fさんご夫婦は、
次の栃木への帰省の際に
お父様と家族会議に入ります。

お父様がワタシと会う事を
許容するかしないかの説得次第・・・・
という事です。

親子で会っても、
親族であっても、
親友であっても、
お金のトラブルはついて回ります。

法律家さんが行う債務整理によって、
そのトラブルが無くなっているのなら、
ワタシはこんな仕事はしません。

でも、お金のトラブルは
ぜーんぜん無くならない。

むしろ中小企業を取り巻く
経済環境はなかなか改善せず、
今後もトラブルは頻発。

「大きなトラブルを発生させないために、
小さなトラブルを発生させて、
大きなトラブルが発生しにくい環境を作る。」

この考え方は、
古来日本人には無い発想でした。

でも、ここまで
世の中の拝金主義が進みますと、
こういう手法が一番効果的かつ
迅速な方法であることは間違いありません。

少々口幅ったい物言いになりますが、
依頼人が既存の概念のままで
我々と面会しますと、
そのギャップを受け入れるのに
中々の覚悟と時間がかかるようです。

でも・・・・・・それじゃあ、
その我々の提案や概念を
受け入れなかったとしたら・・・・・
それに代わる代替案を
本人が持っていない事には、
その問題の根本解決は出来ません。

大切な家族を守るために、
大切な事業を守り、
大切な事業を守るために、
大切な顧客を守り、
大切な顧客を守るために、
大切な従業員を守り、
大切な従業員を守るために、
大切な取引先を守るんです。

お金を貸してくれなくなった貸金業者は、
あなたの大切なものを奪っていく存在です。

リスケ対応をしている貸金業者は、
あなたにカネを貸したくないから、
リスケしているという事に気づいて下さい。

親子で軋轢を生むような
喧嘩や議論をしている場合ではありません。

こうしている間にも、
資金は流出し続けているのです。

借金問題は病気と同じなんです。

「早期発見・早期治療」なんです。
後で後悔するのはご自身ですよ。

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発行者:株式会社MEPたちばな総研
筆者:たちばなはじめ