先日、浜松で
かつて小売業をやっていた
40代後半の息子と
73歳の母親とお目にかかりました。

浜松駅近くのホテルラウンジで
お目にかかったんです。

前日に、滋賀県栗東市で
セミナーを行ったんですが、
その帰りに静岡支部から
「途中下車」の依頼を受けたんです。

失礼な話ながら、この親子、
お世辞にも身なりが良いとは言えません。

打ちひしがれ、
疲労の色がアリアリ。
そんな親子です。

高齢の父親がかつて営んでいた
ご商売の負債と滞納していた税金の
納付に苦しんでいます。

総額約5000万円。
税金の滞納は約600万円。
母親と息子は連帯保証人。

父親は現在、
体が不自由で「要介護3」。

事業は動いておらず、
母親は年金の中から一部を弁済。

息子は2つのアルバイトを掛け持ちし、
その中から弁済と納付を
実行しているところでした。

一部の借金に関しては
既に6か月ほど滞納している状況。

この親子の総収入の6割ほどが
弁済と納付に消えている状態。

自宅には寝たきりの父親がいる事から、
今後の介護について
施設に入れるべきか親子で
思案を重ねていますが、
現状の経済状態では、
それもままならない。

債務整理に関わる法律家に
相談に行ったら
「破産しかない」と言われ、
破産費用をたずねたら・・・・
「3人まとめて100万円」
と言われたそうです。

この親子にとって
100万円の捻出は途方もない金額。

加えて申し上げますが、
仮にこの3人が100万円を
用意できて破産が出来たとしても、
問題は解決しません。

だって・・・・破産しても
納税義務は消えないから。

この親子は、破産しても
納税義務が消えない事を
ワタシの話ではじめて知った様子。

破産を勧めたセンセイは、
破産しても納税義務が消えない事を
この親子に話さず、
借金の問題だけに特化して
破産を勧めていたようです。

「借金の返済が停止されていて
半年以上が経過しているのに、
お住まいが差し押さえになっていない、
という事は、その土地や建物に
差し押さえる価値が無い、
と債権者が判断しているか、
または、寝たきりの高齢者を抱えて
貧困にあえいでいる環境で
差し押さえるという行為は、
世間から批判されるかもしれない、
という判断かどちらかではないでしょうか?

それならいっそ、
その家に住んだままで、
他の借金や税金の納付も一部停止しましょう。

債権者からの電話は無視。

家に来たら
”金ない。出来たら払うから帰ってくれ”
でいいですし、5年で時効。

税金の滞納については、
きちんと役所に行って
窮状を訴えてください。

あなた方親子に
お金が無いのはウソではないし、
身なりを見たら解ります。

まともに生活して、
その中でお父さんが
施設に入れる環境を第一優先に
考えてください。

勿論、皆さんがまともに
生活出来る前提でですよ。

嫌な言い方かもしれませんが、
借金も税金も債権者の対応は
お母さんがされるのが良いでしょう。

お母さん、小さくて弱弱しいから、
お母さんが交渉に臨めば
債権者の出方は弱くならざるを得ない。

交渉なんて言ったって、
そんな大層なもんじゃありません。

”すみません・・・・
すみません・・・・
お金が無いんです。”

って言って、涙をポロリ。
これが一番有効です。

息子さんが泣くより、
お母さんが泣いたほうが
交渉としては有効な武器です。

それで、
今返済している分は少しは浮きます。

それを溜めてお父さんの
介護の為の財源にしましょう。

クドイですが、
あなた方にカネが無いのは
ウソじゃないから、
詐欺でもなく脱税でもありません。

滞納を取り締まる
法律は無いのですから、
しばらく返済も納付もお休みして、
財源の確保に努めましょう。

お母さん、
ご自身の窮状を切々と
一生懸命訴えてください。

自分から動く必要はありません。

看過できない環境になったら、
債権者側が自ら動きますから。
それまでは大丈夫です。

ただ、のんべんだらりとしていて
良いワケでも無いので、
お元気そうなら何らかの
お仕事も考えてくださいね。

お父さんが施設に入れば
その時間的余裕もできるでしょう。」

破産の意味が無いと知り、
借金にも税金にも時効があると知り、
今後の生活再建の優先順位を
理解したこの親子。

息子さんはどちらかというと
表情を変えませんでしたが、
お母さんのにこやかな表情に
心が安堵しました。

はじけるような笑顔の
70代のおばちゃんって
久しぶりに見た気がします!(笑)

この親子は我々と契約する
資金や財源も無いので、
その後更に細かく
実務的な手法をお教えしました。

幸い、かつて掛川で
セミナーをやった時の聴講者である
とある会社社長が紹介者として
同席して下さったので、
この社長さんにも協力を依頼して、
「自助努力」で生活再建させる方向で
話をしました。

自助努力なら、
コストもかからないからね。

大企業は、法律をうまく使い、
世間に道義的責任を問われないように、
巧みに借金を踏み倒します。

そして、時が経過し、
世間が忘れ去ったころには
何事もなかったように、
債権を回収し続けます。

この親子は、少ない収入の中から、
バカ正直に債権者に弁済を実行し、
要介護3の人間が
まともに介護を受けられない状況の中で、
債権者から執拗な回収を受け弁済。

本来、
介護のサポートを考えるべき行政の側も、
税金の徴収を優先し、
この親子はどんどん資金的に痩せていきます。

ワタシは基本的に商売で
この仕事をやっていますので、
イイカッコをするつもりはありませんが、
もう少し、この親子を
救済する環境があっても
良いのではないかと思いつつ、
まだこの親子はラッキー。

ワタシと面談する環境が出来たから。

この親子だって、
ワタシと知り合う環境が
あと半年遅かったら、
もしかしたら命を絶っていたかも。

こういう環境って・・・・
世の中にゴマンとある。

この理不尽をワタシは嘆いているのです。

ワタシ一人で情報の拡散なんか不可能だよ。

今、国内で
「自己破産させない屋」の支部を作り、
協力者の出現にワタシは
躍起になっていますが、
それでも世の中に広く伝える事には
苦慮しているといわざるを得ません。

重ねて・・・・・改めて申し上げます。

法律上は、国内法は、
債務者が絶対的に圧倒的に
強いように出来ています。

借りたカネを返せない環境になった事は
不幸な事ではあるけれど、
借りたカネを返せない事を
取り締まる法律はありません。

納める能力があるのに
納税しなかったら脱税だけど、
能力が無くて滞納している状態を
取り締まる法律はありません。

「道義的責任」などという
実体の無い強迫観念に
ほだされることなく・・・・・

・守りたいもの
・守りたい人

の優先順位を考えながら
人生を生きて言って頂きたい、
と強く思っています。

士業の先生へ・・・・・

この仕事やっていて、
すごく思うのですけど・・・・・
やっぱり「士業」のバッチの力ってスゴイ!

みんな、
「士業の先生に問い合わせれば絶対助けてくれる」
って思っていますよ。

ワタシがいくら丁寧に説明しても、
ワタシはしょせん多重債務者。

「ウチが懇意にしている○○先生は、
そんな話しなかった!」
って、ワタシに意見する人、
本当に多い。

それくらい、
世の中のお困りの方は
士業の先生を盲信しているんだ。

彼らの期待に応えてやってほしいです。
心からお願いしますよ。

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発行者:株式会社MEPたちばな総研
筆者:たちばなはじめ