さて・・・・・
前回のメルマガで、ワタシは
「case325不要な焦燥感」と題し、
文をしたためました。

そして・・・
今回のメルマガで、ワタシは
「case326持つべき焦燥感」と題し、
文をしたためます。

似たような案件が続いたので、
書こうと思いました。

北陸地域で美容関連の事業を
展開されている40代の事業主。
Tさんです。

とあるファミレスで
ドリンクバーを頂きながら相談を受けました。
面談料は2000円。

Tさんは複数店舗で事業を展開されています。

会社として約4000万円の借入残があり、
保証協会付き融資と
政府系からの無担保融資でした。

リスケを実行しており、
月額元利返済は約45万円。

一部の重要戦力だった
従業員が退職したことで、
売り上げが下がってしまい、
資金繰りに困窮する状態に
なってしまったんだとか。

一部消費税の未納分を
分納している状態。
社会保険料も延滞をしている状態です。

個人的にも借入があり、
運転資金に廻っているようです。

約250万円ほどの借入残。
毎月10万円ほど返済しているようです。

またTさんは、ご自宅を保有しており、
まだ20年以上ローンが残っています。

そして、80歳近くになる
ご両親の住むご実家を
担保に入れていらっしゃいました。

「税金や社会保険料を滞納し、
それでも銀行に返済している状態は
まともではありません。

また、残った従業員さんの
労働環境も良くないようですね。

顧客満足度を上げなければいけない時に、
銀行への返済を優先するのは
正しい選択ではありません。

税金を納め、社会保険料を納め、
従業員環境を良好にしてから、
返済を再開しても良いのではないですか?

自宅やご実家?

不動産の対応策は
こちらでもいくつか持っています。

所有する事が目的なのか、
生活するのが目的なのか、
お金を残すことが目的なのかで変わります。

今のまま無策で
このままじり貧を迎える事は、
決してTさんやTさんの事業に
プラスにはなりません。」

上記のようなアドバイスをしたと思います。

「今日は、
情報を訊きに来ただけなので・・・。
まだリスケという手段もありますし。」
とTさん。

「そうですか。それも良いですよ。

今までも”情報だけ訊きに来た”
という人は少なくありません。

でも、そういう方の中で、
Tさんの資金繰りは
一番良くない環境にある事をわかって下さい。

情報を訊きに来て、
アドバイスを受けて・・・・・
ワタシはあなたが結局何も
しないような気がしてなりません。

リスケはやってはいけない、
と強く進言しておきます。

リスケしたら借金は終わりません。
でもいずれあなたの命は終わります。

家を相続するリスクと
借金を相続するリスクの
重要な選択を残された親族に
ゆだねるべきではありません。

リスケしたら借金は終わりません。

リスケは出口戦略ではありません。
問題の先送りです。

経営者は常に”出口戦略”を求められます。

出口戦略無き経営者は失格です。
常に出口戦略を求められるんです。

リスケしたら借金終わりません。
返済を停止したら
5年ないし10年で借金は終わるんです。

いろんな情報を入手し、
我々以外の手法の出口戦略を
Tさんがお持ちなら、
それでも良いんです。

数ある戦略の中から、
自分に合った戦略を
選択できるならそれでも良いんです。

でももし・・・・
そうでないのだとしたら・・・・・
ワタシはTさんの事業体は、
すぐにでも手を打つべきだと思いますよ。

今、こうしてワタシと
話している間にも、
Tさんの事業体は出血し続けているんです。

とにかく、可及的速やかに
戦略を講じる事をお勧めします。」

「そうですね・・・・考えておきます。」
とTさん。
面談は一時間少々で終わったと思います。

おそらくTさんはリスケを実行するでしょう。

でも、そんな状況ではないと思ったのはワタシ。

リスケをしてその後、
通常返済に戻り事業を
繁栄させた例は・・・・
1%あるかどうか・・・・。

また、北関東の事業主で
衣料品のネット販売をされている事業主、
60代男性のRさん。

ネット販売で年商数億円を
売り上げてはいますが、
慢性的に資金不足な経営状態。

銀行や信金、政府系から
合計で1億4千万円ほどの借入残。

ご自宅を担保に入れており、
リスケを実行。毎月20万円ほどを返済しています。

ネット販売の売り上げが下がり基調の中で、
銀行の支援が受けられないので、
取引先から在庫面と資金面での
”バックアップ”を得る予定の中で、
アドバイスを受けたい、との事。

「ワタシも以前小売業を
やっていた身として申し上げますが、
銀行の返済がままならない経済状況と
経営環境の中で、在庫を拡充し、
取引先から一時的に資金協力を
受けたからと言って、
衣料品の売り上げが
飛躍的に伸びる環境は
日本にはありません。

モノ余りの日本ですし、
おそらくRさんの扱う商品は
他でも扱うでしょう。

飛躍的に売れる商材があれば、
それは他社でも売られます。

早晩値下げ合戦になり、
収益性は下がります。

また独占的に
販売できるものがあったとして、
それが飛躍的に売れるようなものなら、
仕入先はご自身で
売るのではないでしょうか?

現状、この後に、
取引先の支援によって
仮に現状より三割売り上げが
伸びたとして、
そうなったら取引先の
支援を受けずに自助努力で
経営が続けられる環境になりますか?

ワタシはならないと思います。

引き続き取引先の
バックアップを受け続け、
その金額が増大し、
取引先からストップがかかるのは
目に見えています。

そして、その瞬間から、
取引先は、あなたにとって
”債権者”に変わるのです。

その時の財源をお持ちですか?

結論を申し上げますが、
取引先からのバックアップは
受けるべきではありません。

在庫面でのバックアップは
良いと思いますが、
資金面のバックアップは
受けるべきではありません。

Rさんに、
今以上の返済能力が無いからです。

リスケしている時点で、
あなたはまもとに返済できていないからです。

今以上、
被害者を増やすべきでないし、
今以上被害金額を増やすべきでない。

拡大基調を止め、
銀行への返済を停止し、
自己資金で回せるような
環境を作るべきです。

返済見込みが無いまま、
カネを借りる事は詐欺に近い。

借りるべきではありません。」

手帳を出し、
メモを取り続けたRさんの手が止まり、
手帳を閉じ、ペンを置きました。

その後は、
ワタシの話の聞き役に廻りました。
ワタシに反論する事もしません。

ワタシには
「会話をやり過ごしている」
という風に思えました。

おそらく、ワタシのアドバイスが
ご自身の意に沿わなかったのでしょう。

「持ち帰って考えます。」と、
言葉を残しお帰りになりました。

Rさんは、取引先から
バックアップを受けると思います。

慢性的な赤字状態で
更に金を借り続けると思います。

金融機関なら、
それでも良いと思います。
それが商売だから。

でも取引先は違います。
利息を取るかとらないかは解りませんが、
半分善意で半分ビジネス。

そういう人に返済の見込みが無いのに、
カネを借りようとする時点で、
当事者は経営者ではないと思っています。

借金返済のための焦燥感は
持つ必要はない、
と前回のメルマガ書きました。

でも、事業環境や
資金繰り改善の為の焦燥感は持つべきだ、
と今回は書きます。

家族・従業員・顧客・取引先の為の
経営を実行してください。

その為に焦燥感を持つ事業家であって下さい。

世間体・虚栄心・社会的地位・
社会的信用の為の経営はしないで下さい。

その為に焦燥感を持つ事業家は社会悪です。

事業を行う以上、
事業主のあなたに巻き込まれる人が
少なからずいる事をわかって下さい。

巻き込まないように・・・・
もしくは巻き込む人間が
なるべく少ないように・・・・
優先順位を考えて事業を遂行して下さい。

現場の第一線を取り仕切り、
最前線を突き進む社長は一見カッコいい。

でも社長が本当に
やるべきことはそれではない。

・営業の最前線は担当者を据える事が出来る

・製造の最前線は担当者を据える事が出来る

・会計の最前線は担当者を据える事が出来る

・採用の最前線は担当者を据える事が出来る

しかし・・・・・

資金繰りの最前線は
担当者を据える事が出来ない

社長が・・・・事業主が
出来る最前線の仕事を考えてほしい。

そしてそのための手段が、
赤字の穴埋めではないようにあってほしい。

ワタシは6年前に
それをやってしまい、
人生の大失敗をしました。

自分の体裁を守るために、
顧客に高く売り、
従業員を安く使い、
取引先への勝手払いをしました。

ワタシの様に・・・・
本当の負け犬にならない様に・・・・

「負け犬コンサル」のたちばなはじめは、
国内各地でしゃべり続けます。

今回、TさんとRさんには
その思いが伝わらなかったようです。

それはそれで彼らの選択。

ワタシは彼らのスタンスを否定しますが、
社会的に否定されるようなものではありません。

ただ、経営改善の為の
「焦燥感」は持ち続けて欲しい!

今後、ワタシの予想が外れ、
彼らが「たちばななど必要ない!」と
思える経営環境になる事を望んでいます。

自己破産しちゃいけない!
自殺はもっとしちゃいけない!

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※全件たちばなはじめが読みますが、
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ありますのでご容赦下さい。

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発行者:株式会社MEPたちばな総研
筆者:たちばなはじめ