新潟県内で、
食肉を扱う企業の
社長さんからお電話頂きました。

Uさんです。

Uさんは、
ワタシが現在の仕事を
始めて間もない頃から、
ワタシの仕事に理解を示してくれていた
数少ない理解者の一人でした。

今回のご相談者はUさんのお友達、
というか後輩でした。

同じ、新潟県内で
食肉の加工・生産などを
手掛ける経営者、Wさんでした。

Wさんは30歳前。

更には童顔で、
20代前半にも見え、
まだあどけなさも残る風体でした。

ワタシの地元の喫茶店で
お目にかかりました。

Wさんは既婚者。

二歳年上の奥様と
おいでになりました。

奥様は妊娠中。
年明けには第一子誕生との事。

この若い夫婦への不幸は、
奥様の妊娠発覚直後に
襲ってきたそうです。

Wさんのお父さんが営む食肉事業。

Wさんは世襲経営者として、
お父さんの仕事を
サポートする立場にあったとの事。

Wさんがとある会合で
知り合った方からコンサル指導を受け、
食肉事業をより拡充する為に
総額約2000万円ほどの融資を受け、
スタート。

しかし、
まったく経済効果を生まず、
半年ほど経過したところで、
資金が枯渇。

近々にも資金ショートをする予定。

コンサル指導を買って出た人物は
・・・・・現在音信不通。

日頃から、仲良くしている、
先輩経営者のUさんに、
ボヤいたところ、
ワタシのところに行きついた・・・・
との事でした。

Wさんは、
まだ若いのに疲れ切った表情。

隣に座る奥様も、
不甲斐ない夫にどこかイラ立った様子。

本当なら、現在は
間もなく生まれる我が子の為に、
あれやこれやと、
準備に追われる時期。

若い夫婦が一番幸せな
時期ではないでしょうか??

ところが、
この夫婦は現在不幸のどん底。

それどころか、
これに至った経緯は、
社長である父親の同意はソコソコに、
Wさんがほとんど単体で
進めてしまっており、
今になって頓挫してしまった
この事業計画に、お父様は激怒。

Wさんを家から追い出してしまい、
自宅近くのアパートに
二人で住んでいる、との事。

お父様とは、
現在会社でもほとんど話しをせず、
よそよそしくしているそうです。

迂闊に、
コンサルの指示通り
動いてしまったWさんにも
問題が無いわけではないです。

でも隣で悲しむ
妊娠中の奥様の事を考えると・・・・
ワタシは仕事をさせて頂こうと思いました。

幸い、
銀行側の担保設定が甘く、
それらを突破口に
弁済とリスケを重ね合わせれば、
事業の継続も出来るし、
他の空いている資産を使って、
他の金融機関から
一部融資を受けられるかも・・・・
という目論みが立ちそうだったので、
ワタシは

「十分救済可能です。
少なくとも、債務整理なんか
全然考える必要ありません。」

と申し上げました。

Wさんは、ワタシと面談する前、
弁護士に相談しており、
破産を勧められていたそうです。

2000万円の借金には
Wさんは勿論、お父様も、
お爺様も保証人に設定されています。

実家の保有者が
おじい様になっている以上、
破産なんか
いちばんしてはいけない手段だ、
とワタシは考えます。

「その弁護士の見識を問うてみたい!」
と強く腹を立てながら、
Wさんとの面談を続けました。

ワタシの再生プランや、
なぜ弁護士が破産させたがるのかなど・・・・
ワタシが持っている知識を
フル動員して、Wさん及び、
そのご家族の再建計画をご説明しました。

Wさんは、
満面の笑みを浮かべ、
話しをお聞きくださいましたが、
奥様はワタシに対して
厳しい表情のまま。

奥様は、
弁護士でも税理士でもない、
ただの多重債務者のワタシの話しを
額面通りには受け取っている
様子はありませんでした。

それにつられるように、
Wさんもだんだんワタシへの表情が
疑心暗鬼に変わっていきました。

面談を初めて約2時間。

ご夫婦は、
厳しい表情のままでした。

ワタシとしても説明するものは
全部してしまいました。

Wさんは、ワタシに言いました。

「たちばなさん、
さっき初めてお目にかかって、
ウマい話を聞いて、
「じゃあお世話になります。」
とは言えませんよ!」と・・・・。

たしかにそうではありますが、
Wさんの会社の経済状態は、
その時間的余裕を許す状況ではありません。

「ワタシは全然急ぎませんが、
急ぐべきはWさんの方ですよ。

手段は我々でも
弁護士でも構いませんが、
早い方が良いでしょう。

なにもせず悩み続けるのは
一番よくない事だけは
しっかりお話ししておきます。」

と申し上げました。

それでも、
結論が出せないWさんご夫婦。

ワタシが言いました。

「ウチ・・・・来ます?」と。

Wさん夫婦をワタシの自宅に招きました。
母親・妻と三人の娘を紹介しました。

母親に、
我々が多重債務一家になった経緯や、
苦労を重ねた経緯。

師匠に救済を受け、
生活が激しく好転した時の感想を
話して貰いました。

妻も、子供たちの為に
ワタシが債務整理や破産を
しなかった事は正解だったという感想を
吐露しました。

Wさん夫婦の表情が
明らかに変わりました、が・・・・
やはり結論は出ませんでした。

Wさん夫婦はこの問題を持ち帰り、
確執がある両親らと
協議を重ねる事にしたんです。

この面談から一週間ほど経った昨日、
Wさんから改めてお電話頂きました。

「両親から、”破産しろ”と言われました。
でも、ワタシは
モチロン破産したくないし、
妻も不憫でなりません。

そして生まれてくる
子供の事を考えたら・・・・・
暗い気持ちになっていしまいます。

どうしたら良いと思いますか?」と・・・・。

ワタシは、こう答えました。

「我々は我々のやり方が
ベストだと思っていますし、
あなたもそう思っているから
わざわざ私に電話して来たのでしょう?

でも、お父様が反対されている。

お父様のご意向を取るか、
奥様やお子さんの未来を取るかは、
Wさん次第です。

もし、Wさんがワタシとお父様を
引き合わせて下さるのなら、
ワタシはお父様への説得は惜しみませんし、
考え方を翻意させる自信はあります。

ただ、Wさんがお父さんにワタシの
情報を伝える方法が悪かったのか、
お父様はワタシと会う気が無い。

何となくですが、
Wさんは我々の方式の方が
子供や奥さんの為には良いと
思っているでしたら、
Wさんは全力でお父様を
説得するしかないですね。

もし、それが出来ないのなら、
お父さんの意向を汲んで、
奥様やお子さんが
不憫な思いをする事は
我慢しなければなりません。

全てはWさん次第、という事です。」

30前の男には、
なかなか酷な選択を
迫ってしまいましたが、
本当にそれしか方法が無いのですから
仕方ありません。

その電話のやり取りの後、
丸一日経過しました。

Wさんからの電話はまだありません。

しばらく、
Wさんの電話を待ちたいと思います。

こういう状況で、
ワタシからWさんに
電話をかける事はもうないでしょう。

電話がかかってくれば仕事をしますし、
かかって来なければそのまま。

ただ、前述したように、
Wさんにはそれほど
時間が残されていません。

早めの決断がキモ!という事です。

妻や子供の将来をとるか、
確執を生んでしまった
両親のご意向を取るのか・・・・・・
大変難しい選択かと思います。

そんな中でも、
WさんはWさんなりの
「優先順位」を自分で
見つけなければなりません。

この選択はWさんの
人生を賭けた選択となる事でしょう。

いずれの形になっても、
Wさんの意向は尊重しますが、
これだけは言い続けます。

自己破産しちゃいけない!
自殺はもっとしちゃいけない!!

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発行者:株式会社MEPたちばな総研
筆者:たちばなはじめ