とある方から、
久しぶりのお電話頂きました。

新潟県内で飲食店を営む
60代の男性経営者。
Oさんです。

「飲食店の男性経営者」というよりも、
「食堂のおやっさん」と言う表現の方が
ピッタリくると思います。

Oさんは、
新潟県内のとある田舎町で
食堂を営んでいます。

二年ほど前に、
共通の知人を通じてご紹介を頂き、
ご相談に乗った事があったんです。

負債額が約1200万円ほど。

マルホの融資を受け、
店舗兼住宅は老朽化が進み
担保価値は土地のみと言ってヨシ。

ただその老朽化の進み具合は
飲食店としては
「ひなびた田舎の小さなお店」
を演出しているとも言えます。

奥様と知人の方が保証人。

田舎町でただでさえ客数が少ない中、
近くに大手コンビニの出店があり、
昼食時の売り上げを直撃。

食堂の収支が悪化し、
ワタシにご相談に来られたのが
今から約二年前の事でした。

救済手法はそれほど難しくなく、
本人も
「事業が続けられるなら、
手持ち物件じゃなくても・・・」
というご希望だったので、
一度担保物件を売却してしまって、
その買った先から賃貸して、
営業を続ける方法を模索する事で
一度は合意。

一時、知人の保証人の方に
「ある対応」をお願いする必要性があり、
それはそんなに難しい作業ではなかったので、
「Oさん、保証人の知人の方に
こういう作業をお願いして下さい。」
と話すと・・・・

「恩人の〇〇さんに、
そういうお願いはしづらいです。
何よりもお金に困っている事が
その方にバレる。」との事。

「Oさん、
バレるのではなく、相談するんです。
作業的にはそんなに難しい作業ではないし、
これは知人の方の資産を
守るために行う作業。
迷惑をかけない為の作業なんですよ。

バレるのが良いとか悪いとか
言っている場合ではないのでは?

優先順位を考えて下さい。

Oさんのプライドを優先させる事で、
知人の方が大きな損害を
被る事になるんですよ。
良く考えて下さい。」

こんなやり取りの後、交渉は決裂。

Oさんはご自身のプライドを優先させ、
我々と契約せず、
自助努力の道を歩みました。

いつも申し上げますが、
我々も契約ビジネスである都合上、
ご本人が望まないのに
仕事をするわけには行きませんし、
執拗に契約を迫ろうなどと言う気もなし。

その話は、それからそのまま放置されました。

そして昨日、二年が経過し、
お久しぶりのOさんからお電話。

「やはり、厳しい。
もう一回相談に乗ってくれません?」と。

「ご相談は何度でもいいですけど・・・・。
あれから二年ほど経ちましたが、
随分我慢されたのでは??」とワタシ。

面談はワタシの自宅近くのファミレスで
週末に行う事になったのですが、
電話で少し下話をさせて頂きました。

負債が約300万円ほど増えていました。

金融機関だけではなく、
一部新たなお知り合いから
借入している様子でした。

二年前のあの状況で、
更に金融機関からいくらか借りられたのは、
リスケ前だったから。

現在はリスケを実行しており、
今後はまともなカタチでの融資は
出来ない公算が強い。

二年前より状況は悪くなっていました。

この二年間で、
Oさんはいったいどれくらいの
損失を出し続けたのだろう・・・・・
そんな思いがワタシの脳を巡りました。

以前も書きましたが、
ワタシもかつて救済を受けた身。

師匠に救済を受けたんですが、
師匠の存在を知ってから、
実際に師匠に救済受けるために
アクションを起こす「ふんぎり」をつけるのに
二年かかっていたんです。

その間に、かつての私の会社は
4000万円ほどの赤字を出し続けました。

もし、すぐ決断していれば、
ワタシは今より4000万円金持ちだった、
という事になります。

ですから、Oさんの
二年間の「揺れる思い」は、
私にはよーくわかります。

面談には穏やかに応じたいと思います。

前回、保証人に協力を依頼する事で、
契約が破断した経緯を踏まえ、
改めてお電話下さったのですから、
今度は我々の提案にも
乗って頂ける事でしょう。

全ては、ご当人の「腹一つ!」と言う案件です。

もう一件。

都内で美容関連に従事する
個人事業主の30代女性。
Rさんです。

池袋のいつもの喫茶店で
お目にかかりました。

事業そのものの採算は合っているが、
売り上げは年間で数百万円。

そんな中で、
業者に騙され(本人曰く)て、
美容に関する機器の購入を勧められて、
資金購入の為の融資を受けられず、
リースで購入。

それに伴い、
そのリース料がもともと大きくない
事業収支を大きく圧迫している、との事。

二か月ほどリース料金を支払っておらず、
リース会社から”機械の回収”を迫られている、
との事。

ワタシからアドバイスしました。

「事業の採算が合うまで、
リース会社にリース料を支払うのを止めて下さい。
口座にお金を残す事を止めて下さい。

リース会社の収支より、
事業主のあなたの事を優先して下さい。

”当事者の一方(Rさん)が
義務(リース料支払い)を履行しない場合、
相手方(リース会社)が
法律上の手続きを踏まずに、
自分の力で履行させる事
(機械を勝手に回収する事)は、
”自力救済の禁止”と言って
法律で禁止されているんです。

だから、あなたは
国内法でガッチリ守られていますから、
安心して優先順位を主張して下さい。

これに関して無理に我々と
契約する必要は無いと思いますが、
”不安で後ろ盾が欲しい”と言うなら、
そうします。ご検討下さい。」と。

Rさんからこんな反論。

「そんな事をしたら、リース会社に迷惑では?」

ワタシ。

「そうです。迷惑極まりない話し。
Rさんに道義的な責任はあります。

道義的責任はありますが、
この件でRさんが捕まったり、
裁判を起こされる事はありません。

国内法で決まっている事で
私はアドバイスしているに過ぎません。

Rさんが道義的責任を優先に考えるのなら、
どんな手段を使ってでも
リース料は払って下さい。

でもそれが出来ないから、
ワタシに相談に来たんでしょ?

道義的責任を優先するか、
ご自身の事業採算を優先するかを決めるのは
ワタシではありません。
Rさん自身ですよ。」

とアドバイスしました。

「少し考えます。」とRさん。
態度を保留されました。

借入金を一時返済しないとか、
リース料を支払わない事などには・・・・
道義的責任はあります。

でも道義的責任がそのまま
法律違反になるわけではないのです。

道義的責任論で言えば、
破産を含めた債務整理を実行したって、
道義的責任はあるのですから、同じ事。

同じ道義的責任があるのなら、
少しでも事業収支の改善に務め、
少しでも手元にキャッシュが残るようにし、
少しでも家族が喜ぶような形を模索する。

その為に我々が
「必要悪」として存在している、
と思し召し下さい。

自己破産しちゃいけない!
自殺はもっとしちゃいけない!!

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発行者:株式会社MEPたちばな総研
筆者:たちばなはじめ