さて先週、
西池袋の「東京芸術劇場」内の
セミナールームで、
当方の定例セミナーを開催したんです。

聴講者は15名。

主に首都圏地域の経営者が
ご聴講にお越しくださいました。

セミナー聴講後に、
個別面談の要請を頂きました。

さいたま市で
海産物の販売を手掛ける
70代の女性経営者でした。
Y子さんです。

「先日、ご相談した弁護士の先生に
”破産しかない。

破産費用は250万円”と言われ、
藁をもすがる思いで池袋に参りました。

早めにご相談に
乗って頂きたいと思います。」と。

「早めに・・・」
と言う要請にお応えして、ワタシから、

「明日、上越新幹線で新潟に帰りますから、
途中の大宮で降りますよ。

そこで駅近くでお話し伺うって事で
いかがでしょう?
お互いに効率良いでしょ?」

と面会の提案を致しました。

大宮駅の待ち合わせシンボル、
「豆の木」で待ち合わせし、
近くの個室がある飲食店で
お話しを伺いました。

ワタシの情報を
事前に持ち合わせていた、
経営者仲間のR子さんも同席され、
三者面談となりました。

Y子さんは70代半ば。

30年以上前に
旦那さんを亡くされて以来、
女手一つ事業を営みながら、
長男・次男・長女を育て上げました。

それぞれ子供たちが独り立ちをし、
自分も高齢者。

事業は辞めたいけど
8000万円の借入金残高。

長男と次男が
成人するのを待つかのように、
銀行はその二人の息子を
保証人設定するようにY子さんに要請。

以来、Y子さんと
二人の息子さんが保証人に設定されています。

事業が下火になり、
返済に困窮し始めたY子さんは、
当時保有していた自宅や
遊休資産を全て売却し、
返済原資に充て続けました。

それでも資金の枯渇が現実化し、
長男に相談したところ、「破産しよう。」と。

ご長男は、
採算の合わない事業の
返済原資ねん出の為に、
同業の他社で働き、
「外貨を稼ぐ」作業を行っていました。

次男は別の業種で現在は就労中。

長男にも次男にも
それぞれ家族がおり、
母親の会社の返済ばかり
考えていられる状況ではない。

母親の事業に
見切りをつけさせる意味でも、
破産を勧めた事は明らかでした。

しかし、
保証人である長男には
貸しているマンション。

同じく保証人である次男には、
現在は更地のままに
なっている土地があります。

ここの保有にこだわり続けると、
債権回収の手が
お子さんたちにも広がって参ります。

一緒に食事をしながら、
Y子さんからの
相談に乗っていたのですが、
食が進まず、疲労の色がありあり。

ワタシから、
Y子さんに質問しました。

「ご長男の賃貸しマンションは
採算が合っているのですか?」
との問いに「いいえ」と。

「次男の方の更地は、
今後何か活用の予定は
あるのですか?」との問いに、

「無い事も無かったんですが、
現在の経済状態ではとてもとても・・・」と。

これを確認出来たら、
このY子さん一家の救済は
それほど難しいものではありません。

ワタシからアドバイスを
簡単な救済計画をお話ししました。

「Y子さんは、
そもそも返済の為に
自宅や資産を売却したのですから、
これは立派な弁済行為です。

Y子さんは
取られるものが無いのですから、
法的に最強の立場です。

ただ、自身の手まで業者を使い、
売却したのは頂けなかった・・・・・。

手数料が勿体ないから。

ご長男の投資マンションも
採算が合っていないのですから、
さっさと手放しましょう。

固定資産税だって勿体ない。

次男の方の更地を
保有し続ける行為は論外。

大変に勿体ない事です。
さっさと手放しましょう。

おそらく、
この二つの資産を売却しても
8000万円にはならない、
との事ですが、
金額がいくらで売れるかは
債務者にとって関係ありません。

債権者には大いに関係ある事ですが、
それは債権者が心配する事であって、
債務者が心配する事ではありません。

銀行が”任意売却”を
要求してくるでしょうが、
全部断って下さい。

手数料をこっちが
払わなければいけなくなるし、
売れなかった時のリスクを
こちらが負担しなければならないから。

返済行為をしている口座に
残高を残す事を止めて、
その後銀行との話し合いに
応じるのを止めて下さい。

三カ月すれば、
期限の利益を喪失して、
彼らが勝手に差しさえて
競売に入ってくれます。

その方が我々に手数料が発生しなくなります。

いくら高く売れたって、
こちらに資金は残らないのですから、
売却金額がいくらになろうが
こっちには関係ないでしょ?

そんな物件の手数料を
なぜこちらが払うのですか?
無駄遣いも甚だしい。

放っておけば、
銀行が債権者として
全額自己負担してくれますから。

これで、息子さんたちも
取られるものが無くなれば、
”法的に最強”になるわけです。

資産売却後に残った
Y子さん達の負債は、
銀行側は”無担保状態になった不良債権”
として、期中で損金計上が
義務付けられています。

つまり4月とか9月とかの期の
繰り越し時期が来れば、
債権者である銀行に残債権
(Y子さん側からすれば残債務)
は残っていませんし、
残っていたら粉飾決算ですから。

そのあと、銀行はその債権を
債権回収会社に売却して・・・・・・
ここから先は、
先日のセミナーでお話ししたでしょ?
あの通りになります。

そんな出鱈目な債権は
踏み倒して参りましょう。

尤も、資産売却している時点で
十分な弁済行為ですし、
会計法で決まっている事ですから、
Y子さんは踏み倒しすらしていないですけどね。」

Y子さんの表情が明るくなりつつも、
あまりにウマい話に聞こえているようで、
いささか疑心暗鬼のご様子。

ただ、債務整理の費用として
提示された費用は250万円。

当方から提示した
「破産させない為のコンサルテーション」は、
二年半ほどの分割払いで半分以下。

Y子さんは、
我々に仕事を依頼したい
素振りを見せています。

しかしここでY子さんから
ワタシに追加で要請。

「たちばなさん、
息子二人はワタシに破産を勧めています。

費用の応援はありません。
でも、保証人である息子たちには、
たちばなさんのセミナーに参加した事も、
今相談に乗ってもらっている事も
話していません。

私はたちばなさんの話しは
なんとなく理解した程度ですので、
ワタシから息子たちを説得する事が出来ません。

たちばなさん、
今度は息子たちを同席させるので、
今一度その話を
息子たちにしてくれませんか?」と。

「そうですね。話の途中から、
その作業が必要だと思っていました。

再来週早々に弁護士の先生と
面会する予定でしたよね?でしたら、
今日一度新潟に帰って、
来週上京する時に、
もう一度大宮で降りますよ。

その時に、またお子様たちと
この場所でお目にかかりましょうよ。

それならお互いに
効率が良いですから。

息子さんたちが、
もし破産をY子さんに
強く勧めているんなら、

”どうせ破産する事が決まっているなら、
たちばなはじめの話しを
聞いてからでもいいんじゃないの?”

って言っておいてください(笑)」

今週再び大宮にお訪ねします(笑)

Y子さんは、
仕事に疲れ切っていました。

人生にも疲れた様子がありあり。

でも、負債が残っているから・・・・・
息子たちに迷惑かけられないから・・・・・と、
老体に鞭打って仕事をして来ました。

にっちもさっちもいかなくなって、
息子たちに相談。

以降何となく人間関係が
ギクシャクしているんだとか。

我々の仕事で、
そのギクシャクが少しでも
緩和されればよいと思います。

ワタシも、6年前まで
小売業の経営で苦しんでいた時、
親子関係がギクシャクした事があります。

ワタシにすれば

「6億円の負債を作ったのは俺じゃない。
親父だ。」という想い。

両親にすれば
「それを知っていて、
後継者になったのはお前だ。」という想い。

お互いに口にこそ出しませんでしたが、
頭の中の片隅には
常にそういう思いがありました。

そして、現在・・・・・
父親その後亡くなりましたが、
現在、お金に関する
しがらみが無くなり、
現在私は母親と人生で一番仲が良いです。

そんな経験を持つワタシ。

Y子さんの心情や、
息子さんたちの想いは、
良く理解出来ているつもりです。

そんな一家の関係改善の為に、
金融機関に対しては
「貸し手責任」を問うて、
少々泣いて頂こうと思います。

大丈夫!泣くのは
法人としての銀行であって、
銀行員の皆さんは
給料が変わりませんから・・・・・(笑)

自己破産しちゃいけない!
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発行者:株式会社MEPたちばな総研
筆者:たちばなはじめ